焚き火の向こうに・・・

高校生の頃の冬休みに部活の筋トレを兼ねて、友人と一緒に朝の新聞配達のアルバイトをしていた時の話です。 冬休みに入り毎日朝早くから新聞配達をしていて、無遅刻無欠席で件数も多めにこなしていたので所長さんには気に入られ高校生というのもあり可愛がってもらっていました。 仕事の流れとしては新聞を持って自転車で配達に行き、自分の割り振られた場所に配り終えたら持って出た新聞で余った物を事務所に持ち帰ると言う感じですね。余った新聞は必ず持ち帰り返すというのがルールです。 12月31日の配達も無事終わり帰る時に所長さんから「明日は元旦だから初売りなどのチラシが多いから配達大変だぞぉ~!でも頑張ったらお年玉あげるよ」と言われ帰宅しました。 次の日事務所に行きその日の新聞を見ると本当にチラシが沢山でいつもの3倍くらい重さがあるような感じでした。 うわぁ↓↓となっていると所長が「先にお年玉渡しとく」とやる気が出るようにお年玉を渡してくれました。 何とか配達を終え事務所に戻る道中神社の前を通るとお焚き上げの焚き火があり、1月1日の寒い中の配達だったので寒い体を暖めて帰ろうと寄り道をした所、一緒に働いていた友人も同じ事を思ったらしく先に暖まっていました。 これが悲劇の始まりでした。友人と暖まっていると正月のテンションもあり悪ノリが始まり焚き火に「燃~えろよ燃えろ~よ~炎よ燃~えろ~」の歌を歌いながら配達の残りの新聞を投げ込み燃やして大騒ぎ大盛り上がりをし、一通り楽しんで焚き火の炎の向こう側を見ると・・所長が立っていました・・・。 所長と目が合うと所長は何も言わず立ち去って行きました。 重い足取りで事務所に戻ると所長には何事もなかったかのように「お疲れ様」と言われ特に咎められなかったので、友人と帰ろうと事務所を出ようといた所独り言のように「お年玉あげたのに…」と悲しそうな声で聞こえてきましたがそのまま帰宅し退職しました。